『油井亀美也さん 夢をはぐくむ講演会(22.7.2)』

           
        Posted on 2022年 7月 12日      
     
        南佐久群川上村出身で JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんによる 講演会が、2日(土)に文化センターで行われました。   「夢をはぐくむ講演会」と題して行われた、この日の講演会。 子どもたちに、 「大きな夢を持ち、 努力することの大切さを学んでもらいたい」と 小諸市教育委員会が主催しました。
油井亀美也さんは南佐久群川上村出身の52歳。 平成27年に、 長期滞在クルーのフライトエンジニアとして 国際宇宙ステーションに142日間滞在しました。   滞在中は、日本人として初めて、 宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機を ロボットアームでキャッチすることに成功。 その他、宇宙環境を利用した、 科学実験、医学実験などを行いました。
子どもの頃から星を見ることが好きだったという油井さん。 10歳の頃に宇宙飛行士を志し、 平成27年、45歳のときに宇宙飛行の夢を叶えました。 その道のりは平坦なものではなく、 自衛官を経験したのち、39歳という年齢で、 JAXA宇宙飛行士候補者に選抜され 宇宙飛行士の夢をつかみとります。
油井さんは、宇宙飛行士になるまでの経験をもとに、 夢を叶えるために大切なことを次のように話しました。
「夢を叶えるために一番重要なのは、 まず夢を持つことなんですよね。 自分のやりたいこと、好きなことを 目標・夢にしてほしいというのがありますね。 これはなぜかと言いますと、夢を叶えるというのは 本当に大変なことで、すぐには叶わないですよ。 私も10歳ぐらいのときに宇宙飛行士になりたいと思いましたけど、 実際叶ったのは45歳のときなので、 35年間ずっと叶えるために努力しているわけですよね。 それを続けるのは大変なんですが、 好きなことっていうのは誰に言われるでもなく、 続けることができるので、私も宇宙の勉強は誰にも言われなくても、 自分で本を買って続けることができたので、 やっぱり好きっていうのは才能だと思うんですよね。 高いところに目標を置いて、自分の能力、 ギャップがあるのは当たり前で、 ギャップを埋めるための努力を続けていける、 要は好きなことを目標にしておけば続けていけるので、 ぜひ、好きなことを目標にしてほしいな、というのが第一です。」
また、油井さんは、 置かれた状況で、 「今できることに精一杯取り組むことの大切さ」を伝えました。 経済的な事情で防衛大学校に進学し、 宇宙飛行士への道が閉ざされたような気がしたとき、 「先輩がかけてくれた言葉」があるといいます。
「やらなければいけないことは、 悩んでいてもいいからとにかく頑張れと。 頑張るということが実は自分の気が付かないところで、 将来の可能性を1つひとつ実は生んでいて、 何がやりたいのかっていう岐路にたったときに、 それが選択肢に入ってくるんだぞという話をされました。 実際、自衛隊での生活っていうのは 先輩の言うとおりに、頑張っていたがゆえに、 戦闘機パイロットになれましたし、 テストパイロットにもなれましたし、 いろんな経歴を認めてもらって、 JAXAからは宇宙飛行士候補者に選んでいただけたので、 悩んでもいいからとにかく頑張りなさい、 という先輩の言葉が大事だったなという風に思います。」
さらに油井さんは、 国際宇宙ステーションに滞在しているときに感じた、 「宇宙の大きさ」や「地球のもろさ」、 「地球環境を守っていくこと」の大切さを説明。 また、宇宙で撮影した1枚の写真を見せながら、 「国際協力の尊さ」を訴えました。   「宇宙飛行士がみなさんよく、宇宙から見ると 国境が見えないとか聞いたことないですかね。 ほとんどの地域はその通りなんですけど、 あまりにも仲が悪い地域というのは国境が見えたりしますね。 壁を作っていて壁を照らしていて、 こういう景色を見ると、 本当に自分たちはなにをしているんだろうと悲しくなりました。 ですが、私はそこに人類の希望というのを 宇宙ステーションに見出しました。 私が宇宙に行ったときも、クリミア半島の併合の件で、 アメリカとロシアは制裁合戦みたいになっていて、 今と同じような感じですね。 喧々諤々やっていたんですけど、 宇宙では非常に仲良くやっていました。 今も仲良くやっています。 これなぜそういうことができるのかというと、 宇宙ステーションというのは相手のことを思いやりながら、 いつも生活をして協力しているんですね。 言葉であるとか、歴史であるとか、 文化の違いっていうのを尊重して、 そして仕事をしていく。 そういうことで協力をしていけば、 国際宇宙ステーションという素晴らしいものを つくることができるんですよね。 それができるのであれば、その文化を地表にもってくれば、 多分地球上というのは、今の数倍過ごしやすいところに、 平和で素晴らしいところになるという風に思っています。」
講演後は、質疑応答の時間も。 参加した子どもたちは興味津々な様子で、 油井さんに質問を投げかけていました。
「一番好きな宇宙食はなんですか? 素晴らしい質問ですね。 おじさん野菜は大っ嫌いなので、 野菜はだめなんですけど、 アメリカの宇宙食にはステーキなんかもあって、 ステーキもおいしかったですね。 日本の宇宙食もたくさんあるんですけど、 私カレーが大好きなので、 カレーがとてもおいしかったです。 カレーを持っていけるのは、 今のところ日本の宇宙飛行士だけなので、 世界中の宇宙飛行士が大好きなんですね。 だから、宇宙で仕事を手伝ってもらったときにカレーをあげると、 また次もたくさん手伝ってくれますね。 そのぐらい大人気なのが宇宙のカレーです。」 質問は途切れることなく続き、 参加した人たちは、 普段聞くことができない宇宙の話に目を輝かせていました。
参加した人たちにとって、 「夢をもつことの大切さ。また、努力の尊さ」を実感する 一日となったようでした。     
   
 
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