『氷貯蔵から333周年記念事業 風穴講演会(24.1.26)』

           
        Posted on 2025年 2月 12日      
     
        市内氷区に残る天然の冷蔵庫、 「風穴」。 地域の歴史財産である 「風穴」について学ぶ講演会が 1月26日(日)、 安藤百福センターで開かれました。
天然の冷蔵庫とも言われている風穴。 はじまりは、江戸時代元禄5年で、 ことしは氷貯蔵から 333周年の記念の年です。
真夏でもおよそ 2度から5度の室温を保つことから、 当時は、風穴で凍らせた氷を貯蔵し、 時の藩主に 献納していたとされています。 また、明治から昭和初期の 養蚕業が盛んだった時には 全国から蚕の卵である 「蚕種」が集められ、 貯蔵所として利用されてきました。
今回の講演会は 氷区民有志などでつくる 「氷風穴の里保存会」と氷公民館が 氷貯蔵から333周年の 記念事業として開いたものです。
この日は、市内外から およそ80人が参加しました。
前田会長 「蚕種が全国に 保存された場所があるんですけど、 そういうような話をしていただいて、 現代で言えば、電気を使わないで そういうものができていたという。 これからそういうものを どういう風に利用していけばいいのかな っていう風な話もいただければいいなと。 皆さんでいろんな考えを、 どんなことで風穴を使うか ということまで考えていただいて、 ヒントを頂ければ ありがたいかなと思っています。」   講師を務めたのは、 群馬県立世界遺産センター普及調査係 主幹研究員の中島秀規さん。 講演のテーマは 「蚕糸業を支えた日本の風穴」です。
中島さんは、 「風穴を利用することによって 養蚕の時期を自由に調整することができる」 と話し、 次のように説明しました。
「これを風穴に入れて 風穴種って形にするとどうなるかっていうと、 春蚕は、風穴を使わなくてもできるんですが、 ここが(春季)が春蚕になります。 越年種っていうのは 冬を越してくるっていう意味ですけど、 ここを家の涼しい何度とか 物置に入れておくのか、 お堂とかに入れておくのか、 家の裏にある洞穴に入れておくのか、 風穴に預けるのか、 それはともかく春にやるものが春蚕ですね。 夏蚕のイメージは当然夏に行われるもの。 風穴に入れるっていうのは、 例えば、先ほどの春の一化性のものを 夏まで引っぱりますよ。 または、二化性の第一化を 春にやるのではなくて、 夏まで引っぱりますよ っていうことが可能だっていうことです。 これもあくまでイメージなので、 ここでやったものが糸繭として 産業としてお金に繋がるかどうか っていうことは置いといて、 風穴を使ってこういう風に 抑制ができるっていうことです。」
参加した人たちは 中島さんの講演に耳を傾け、 蚕糸業を支えた風穴への 誇りを高めている様子でした。
氷風穴の里保存会では、 今後もこうした見学会や 講演会の開催を通し、 より多くの人に 地域の財産である風穴について 興味をもってもらいたいとしています。   前田会長 「どうしても高齢化になってきていて、 若い人がいないんですけど、 若い人にもいろんな面で 興味を持っていただいて、 エネルギーの必要ないものを 利用していく方法を これから考えていくに、 私たちも実際にそこで、 氷が入ったり、果物や野菜を入れて 保存して使っていますけど、 それ以外にもいろんな方法があると思うので、 またそういうことを これからみんなで考えて、 考え方も聞かせていただければ ありがたいかなと思います。」     
   
 
TOP