『柏木阿弥陀堂八十八夜祭 (13.5.3)』
5月2日は、立春から数えて88日目にあたる「八十八夜」でした。
八十八という文字を組み合わせると「米」になることから、昔から農業を主とする地域では、
特別な日とされ、豊作を願って様々な祭りが催されてきました。
これに合わせ、3日(金)には、柏木の阿弥陀堂で、柏木上区と柏木下区の区民らが集まり、
八十八夜祭を執り行いました。
この日は、柏木上区と柏木下区の区民およそ120人が集まりました。
柏木の阿弥陀堂に奉られている阿弥陀如来は、今から170年前の江戸時代後期、
弘化3年・1846年に、小諸城主・牧野康哉(やすとし)公が、柏木村に下賜(かし)したものです。
牧野家の開運守護の本尊として信仰されてきた由緒あるもので、譲り受けた柏木では、
地域のよりどころとして住民たちの手で大切に守ってきました。
この八十八夜祭は、阿弥陀如来を譲り受けて以来毎年続けられている伝統行事です。
挨拶に立った、柏木阿弥陀堂役員会代表の小山昭太郎さんは、
「柏木の重要な文化財として、大事に守っていきたい。ご協力をお願いします。」と
集まった人たちに呼びかけていました。
祭りでは、かつて養蚕が盛んだった名残りから、五穀豊穣などを願って、繭玉をかたどった団子を
護符として撒くのが慣わしです。
役員らが一斉に団子を撒きはじめると、集まった区民たちはご利益にあやかろうと、
持参してきた袋に団子を拾い集めていました。
これらは、柏木上区、柏木下区それぞれの役員たちが朝から集まって作ったものです。
およそ50キロ分用意された団子は、あっという間に撒き終わり、袋いっぱいに詰め込んだ区民たちは、
皆嬉しそうな表情を浮かべていました。
この八十八夜祭は、毎年欠かさずに続けられている伝統行事ということで、
柏木上区と柏木下区の区民が共に顔を合わせる貴重な機会にもなっているようです。
なお、柏木阿弥陀堂の阿弥陀如来像は、元々は会津城にあったものが今から311年前に
小諸城に遷されたもので、歴史は更に古く、400年以上前のものだとされているそうです。
柏木阿弥陀堂役員会では、歴史的価値のあるこの阿弥陀如来を市の重要文化財に登録してもらえるよう
働きかけを行っていきたいとしています。