『日本画家 山内若菜さん講演会&絵画展示とトーク (23.4.15)』

           
        Posted on 2023年 4月 21日      
     
        東京電力福島第一原発事故で 被ばくした牧場をテーマに創作活動をしている、 神奈川県在住の 日本画家 山内若菜さん。 この度、山内さんによる講演会と絵画展示が、 小諸市文化センター・練習室で、先週15日()に 行われました。
会場となった、小諸市文化センターの練習室には、 市内外からおよそ25人が集まりました。
このイベントは、小諸市の市民団体 「フクシマの子どもサマーキャンプ隊」が主催。 この団体は、2019年まで、 毎年、東日本大震災で被災した福島県の子どもらを招き、 小諸市内でサマーキャンプを行ってきました。
2020年以降は、新型コロナウイルスの影響で中止に。 コロナ禍でも継続的に、被災した福島のことを 伝えられないかと、 今回講演会と絵画展示を企画することになりました。
語り手は、神奈川県在住の日本画家、 山内若菜さん。 東京電力福島第一原発事故で被ばくした 福島県の牧場をテーマに、 国内外で個展を開くなど創作活動をしています。
山内さんは、原発事故で被ばくした福島県の牧場へ、 2013年から通い始めています。 そこで目の当たりにしたのは、被ばくして死んでいく牛や馬、 そして牧場主の深い悲しみや怒りでした。
これを転機に、命をテーマに創作活動を始めた山内さん。 講演では、福島で目にした悲惨な光景について、 次のように語りました。 「馬が、死産でドロッと出てきたというこの状況を見に行きました。 これを私は牧場に見に行った時、骨だらけで。 これは飯館村の牧場なんですけれども、 これは2013年の初めに、死産で生まれた仔馬の作品です。 それをニュースでどこもやってくれてなくて、 こういうふうに、作ったら、 きっとこの怖さを可視化してくれるんじゃないかと思って作った、 和紙や鉄鋼など使って作った作品です。」 また練習室の外には、山内さんの作品 「神々の草原 トリニティ」の展示も。 人類史上初の核実験のことを「トリニティ実験」ということから、 動物たちの命の讃歌をテーマに、 核実験の悲惨さや命の尊さを ダイナミックに表現しています。   山内さん 「たくさんの命が書き込まれているんですけど、 命の大切さっていうのは、 被爆した遺伝子レベルで傷つけられたのは、 昆虫だったり沢山の動物たち、 そういうものも被爆して、 犠牲になっているっていう 今の在り方みたいなことを問いたいというか。 それで自分の命の大切さっていうのを改めて感じて、 元気になってもらうというような。 私ってこんなに素晴らしいんだっていうようなふうに 命の賛歌を見てもらえたらいいなと思います。」   参加者らは、山内さんの講演や展示作品から、 原発事故の悲惨さ、そして命の大切さを 噛みしめている様子でした。 参加者 「石川県の金沢市から。(はるばる金沢から。) ことし若菜さんの作品見てなかったと思って。 見て、もう一度共感しようと思って、来ました。 若菜さんは、時代が待っていた人。 個人的にもね、すごく感動しちゃって。 共感しちゃって。 応援したいんだけど、 こういう絵は、社会が待っていたと思います。 これはやっぱり、残してほしい絵だから、 何十年も残るような保存方法を 若菜さんも研究してほしいなって思いました。」
主催した、「フクシマの子どもサマーキャンプ隊」は、 福島の原発事故を風化させないために、 今後もこのような講演会を 企画していきたいとしています。     
   
 
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