『市立小山敬三美術館 小山敬三と小諸のまち展 富岡鉄斎名品展示(22.8.2)』

           
        Posted on 2022年 8月 12日      
     
        小山敬三美術館では現在、 令和4年度前期企画展として、 「小山敬三と小諸のまち展」が開かれています。 小山敬三画伯を育て、支えた小諸のまちの歴史を 経済と文化を中心に紹介する企画展です。
これに合わせ、 日本画の大家 富岡鉄斎の作品が、 今月31日()までの期間で特別公開されています。
1897年に小諸市に生まれ、 名誉市民の称号をもつ小山敬三画伯。 文化勲章受章者として広く知られています。
小山芸術の背景には、明治以降の製糸業や小諸義塾など、 小諸のまちの歴史が深くかかわっています。
堅実な小諸商人の魂と、 質の高い城下町の文化の中で育ち、 伝統的な教養を身に着けた小山敬三画伯。 今回の企画展では、画伯に影響を及ぼした 小諸のまちの歴史と文化を、 当時の写真や作品を通して紹介しています。
また今回の企画展にあわせ、 日本最後の文人画家といわれる 富岡鉄斎の作品 「同爨永唱」が、 期間限定で特別展示されています。
富岡鉄斎は、近代日本画の巨匠と呼ばれ、 文人として、古典から学んだ独自の画風をもちます。 その作品の数々は、国内外で高く評価されています。
展示作品の「同爨永唱」は、 明治29年、鉄斎が61歳の時の作です。 中国の故事にならった細密画で、 鉄斎の作品の中でも評価が高い名作といわれています。
同爨永唱」とは、 何代にもわたる家族が、同じ釜の飯を食べ、 仲睦まじく暮らすこと。 右上に養蚕の場面が描かれていることから、 中国の故事と小山家を重ねて描いたと いわれています。
鉄斎は、小山敬三の父 小山久左衛門と交友がありました。 衛門は、21歳で京都に遊学し、鉄斎と出会います。 「同爨永唱」も、 鉄斎が久左衛門に贈ったものとされています。
その影響で小山敬三画伯も、 幼いころから鉄斎の作品に囲まれて育ちました。 画伯は、自身の日本画について、 「子供のころから親しんできた鉄斎の気迫が 染みついている」と述べています。
「小山敬三さんは、ご承知の通り小諸出身でして。 ご生家が、荒町の信州みそさんなんですけれども、 そちらに代々長く伝わるこの有名な絵画をお借りしたいと思いまして、 色々とお願いをしておりました。 やっとそれが実現をした次第です。 家族団らんの姿と、それからその奥の方には、 小山家がお味噌の他にも携わっております、 生糸の関係の姿も現しておりまして。 こういう当時の生活の姿が綺麗な色とともにですね、 立派に保存されたということです。」
「小山敬三と小諸のまち展」は、11月27日(日)まで 小山敬三美術館で開催。 また、富岡鉄斎の作品は、 今月31日()まで、特別公開されるということです。     
   
 
TOP