『小諸高原美術館・白鳥映雪館 糠地郷の蝶(20.7.26)』

           
        Posted on 2020年 7月 31日      
     
        小諸高原美術館・白鳥映雪館の市民展示室では 今月23日から来月23日までの日程で、 昆虫写真家 海野和男さんの写真展と同時開催で 「糠地郷の蝶」と題した企画展が開かれています。
「糠地郷チョウの里山会」は、 代表の大島康紀さんと 顧問の宮坂繁さんを中心に、 地域の自然環境と生態系を守っていこうと 絶滅危惧種の蝶の保護や、 蝶が集うバタフライガーデンの整備などを行っています。
オオムラサキやミヤマシジミの生息域を広めると共に、 アサギマダラの飛来地として全国調査にも参加し、 多くの実績を残しています。
今回の企画展は、 小諸高原美術館から大島さんに提案があり実現。 昆虫写真家 海野和男さんの写真展と 同時開催されています。
企画展では、 日本出版美術家連盟会員で、 日本の風景画、蝶を描く洋画家として活躍する 大島康紀さんの絵画およそ30点を展示。
大島さんが小諸に来てから制作した ふるさとの心象風景を描いた作品や、 蝶をモチーフにした作品など、 自然とのつながりが描かれた作品が並びます。
大島さん 「小諸で制作するようになって20数年が経って、 その前も何年かご縁があったんですけど、 その頃の作品が一堂にありましてね、 20年前の作品もあるし、30年前の作品もあるし、 それからつい数日前に仕上げた作品があるんですよ。 もともとが油絵の洋画家としてやってきたんですけど、 最近ちょっとアピールしたのは、 洋画家大島紀康の日本画を展示してますっていう。 最新作なんですけどね。」   大島さんは、 良寛の 「花無心」という漢詩に感銘を受け、 自身の座右の銘にしたいと 詩を日本画の作品にしたためました。
大島さん 「花無心にして蝶を招く 蝶無心にして花を訪ねる 花開くとき蝶来たる 蝶来たるとき花開く 吾もまた人を知らず 人もまた吾を知らず 知らずして帝則に従う 花無心っていう漢詩なんだけど、 とっても素敵だなと思ってね。 好きとか嫌いとかではなくて、 自然の中の自然体で世の中が動いているっていうのをね、 思いがあって、とても励みになる漢詩だなと思って。」
また、会場では宮坂繁さんが半世紀に渡って収集した 糠地に生息する蝶の標本コレクションと写真も展示。 会が保全に取り組むオオムラサキやアサギマダラ、 ミヤマシジミなどの貴重な標本が並んでいます。
さらに、 「糠地郷蝶の里山会」の活動内容を紹介する資料の他、 会が主催する全国公募の「蝶のはがき絵大賞展」の 受賞作品も展示されています。
会場では市内外から訪れた人が、 大島さんの作品やはがき絵大賞の受賞作品などに 見入っていました。
また、今月23日から26日までの4日間は、 大島さんによるミニ灯篭づくりのワークショップも開催。
この日参加した地元の子どもたちは 大島さんが描いた下絵に思い思いの色を塗り、 色鮮やかな手作りの灯篭を完成させていました。
大島さん 「とても思った以上に評判が良くて、 メインの隣の会場でファーブル展をやっていますけど、 そこに集まった人たちがこちらの会場に回ってきて とても喜んで、それから特別教室として 今回は私のワークショップとして、ミニ灯篭づくりという、 ぬりえと灯篭を作るような企画をやって、 毎日20何名という子どもたちが集まって楽しんでいます。 そんなことで今回とってもいい展覧会になったなと思ってね、 いるんですけど。 私たちの活動を一堂に報告するのにいい機会だったので、 地元の人もたくさん見えて、 大変うれしく思うんだけど、 糠地ってどんなとこか知らないっていう 地元の人もいますからね、 ぜひ小諸の方だけじゃなくて、 遊びに来てもらえればと思いますね。」
企画展「糠地郷の蝶」は小諸高原美術館市民展示室で 来月23日(日)まで開催されます。     
   
 
TOP