『図書館フォーラム 「意思」のある図書館運営とは(18.8.12)』

           
        Posted on 2018年 8月 28日      
     
        図書館運営のあり方について考えるイベント 「信州発・これからの図書館フォーラム」in小諸。 全3回予定されているうちの第2回が 今月12日(日)にステラホールで開かれました。 ことし6月の開催に続き2回目となった この日のフォーラムには、 市内外から図書館利用者など およそ70人が参加しました。
新図書館開館までと、 開館してこれまでの、およそ10年間、 市民との対話を重ねて今の形を作ってきた小諸図書館。 今回のフォーラムは、広く市民から、 今後のより良い運営について聞く機会にしようと、 企画されたものです。 県立長野図書館がこれまで単独で行ってきた 「信州発・これからの図書館フォーラム」 との共催で行われ、 10月まで全3回に渡って、 全国の事例などをもとに、 図書館運営のあり方を考える内容となっています。
ことし8月には来館者数60万人を達成するなど、 運営内容や図書館サービスについて 利用者から高い評価を受けている小諸図書館。 一方で、職員は15人中13人が臨時職員。 1年更新の契約で出産や育児休暇の取得ができず、 低賃金という待遇で、 継続的な就業が難しいのが現状です。
そのため、計画的な人材の育成や確保が難しく 継続的なサービス維持が大きな課題となっています。
今年度、小諸図書館では、 市内の図書館利用者や学校司書などでつくる 小諸図書館協議会に、 今後のよりよい運営について諮問。 ことし6月には、 「運営業務に携わる一部業務委託が望ましい」と 答申を受けています。   こうした現状を受け、小諸市教育委員会では 来年4月1日から委託業務開始を予定。 市の総合的な運営を前提に、 施設や設備の管理は小諸市が担い、 運営業務に携わる一部業務を 事業者へ委託する方針です。
勤務時間や賃金体系などで 柔軟な対応が可能な民間事業者を導入することで、 職員の待遇改善を進め、 サービス水準を維持していく狙いです。
委託先は今年度中に、公開型プロポーザル方式で、 NPO法人などを含む民間事業者から 選定する予定で、補正予算について 9月議会にかけることになっています。
こうした中行われたこの日のフォーラムでは、 NPO法人として公共図書館業務の 指定管理受託者になった 「本と人とをつなぐそらまめの会」の代表理事で 鹿児島県指宿市立図書館館長の 下吹越かおるさんが講演。 受託するに至った経緯や思い、 その後の課題などを話しました。
下吹越さん 「指定管理者の指定がはじまりました。 その時です。私たちどうずるって考え始めました。 もし、ここで普通の業者が来て、 普通の図書館やって、金太郎あめみたいな、 日本全国同じような本が揃えられて、 地域とのコミュニケーションも無くて、 そんな図書館になっちゃったらどうするって、 真剣に考えました。 そこで私たちが出した答えは地域に根差した、 地域のための図書館が欲しいよねって、 「それって私たちだったらできるんじゃない?」 っていう風に無謀にも思いました。」 公共図書館における指定管理受託者として 先駆的な取り組みを行ってきた下吹越さんの話に、 集まった人たちは興味深そうに聞き入っていました。 このフォーラムは、 10月21日(日)にも開かれ、 全国の事例を見ながら、 小諸図書館のあり方を考えていく予定です。     
   
 
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