『参加型音楽劇〝時空ヲ旅スル音楽会〟 (25.10.13)』

           
        Posted on 2025年 10月 22日      
     
       

「時空ヲ旅スル音楽会」と題した参加型音楽劇が、

10月13日(月)にステラホールで上演されました。


日本近代文学のひとり語り劇と

生演奏のコラボレーションを楽しむ

「時空ヲ旅スル音楽会」。


企画・出演を務める「オブンガク堂カフェ」は、

俳優・劇作家の左藤慶さんと、

ピアニストの左藤真世さんを中心に構成されている、

アーティスト団体です。


オブンガク堂カフェは、2014年から

東京、大阪、北海道などで

「時空ヲ旅スル音楽会」を開催。

初の小諸公演となったこの日、

会場にはおよそ80人の観客が集まりました。


今回の舞台は、人魚姫の物語と

丘の上の銅像をめぐる物語の2本立て。

語り手の左藤慶さんは、

表情や声、身振り手振りを駆使して

臨場感たっぷりに何役も演じ分けていました。


そこにピアノ、フルート、チェロが織りなす

北欧音楽が重なり、世界観をさらに演出。

小諸高校卒業生のフルート奏者・山浦知実さんに、

小諸で演奏活動を行うチェロ奏者の永富さおりさんと、

小諸に縁のある音楽家たちが演奏しました。


音楽劇の後は、観客同士で対話し、

物語の内容を振り返り、理解を深める時間に。

出演者からの質問を思考の糸口にしながら、

参加者らは自由に思いを言葉にしている様子でした。


観客

「きっかけは、以前別の小諸の場所で

ご本人のお2人とお会いして、

それでこのような会があるということで、

ぜひ音を楽しみたいなと思って、今回来ました。

小さくなったり大きくなったりっていう

抑揚みたいなものが

常に会場の中で揺らいでいるというのを

ずっと感じられた。

常にその流れがすごく印象に残っています。」


「音楽と語りという組み合わせの公演が

なかなか珍しかったものですから。

本当に両方素晴らしいのと、

あとやっぱりお話自体もとても素晴らしかったですし、

演奏も素晴らしかったです。

とにかく見たこともない、

聞いたこともないような展開、

そして構成が待っているよ、

ワクワクできるからぜひ行ってみな!

って伝えたいです。」


「時空ヲ旅スル音楽会」では、毎回

物語をイメージした特製おやつを参加者に配っています。

今回は、市内相生町の菓子店「ニュイ」が

おやつを考案しました。


鑑賞後に参加者同士で交流し、

物語の世界観が盛り込まれた特製おやつを持ち帰ることで、

音楽劇が終わった後まで五感に刻まれる、

特別なイベントとなったようです。


左藤真世さん

「音楽はいつも、物語の先を想像してもらえるような…

先ほど読んだことの続きとか情景とかを、

音楽を聴きながらその人なりに

想像を膨らませてもらえるようなものにしているので、

そこはいつも気をつけているところですね。

物語の世界観を自分が

上から見ているときの感じで、

編曲とかしています。

本当に私たち小諸に来て

まだそんなに経っていないのに、

こんなにたくさんの方がいらしてくださるっていうことに、

ひとりひとりお顔を見て感謝しかないなと思って。

思いがけずなんですけど、

ひとりの方にお声がけしたら

その方がたくさんに声掛けてくれたりとかして、

自分たちの知らないところに

どんどん広まっていったっていうことが

今回たくさんあって、それにまず感激していました。

その方たちがみんなきょう集まってくださって、

来てくれているというだけでもうなんか泣きそうでした。」


左藤慶さん

「元々コロナ禍に私たちの音楽コンサートとか

お芝居の、いわゆるライブステージみたいなものができなくなったときに、

作品を自分たちで読み・作るということをやっぱりしたいなと思って、

そのときに選んだ作品が後半の方のお話で。

「どんなことがあってもやがて希望が見えてくる」みたいな、

そういうお話だったので、

ちょうど気持ちが下がっているときに

背中を押してくれたりとか、心慰めてくれたりする

っていうのがすごくよかったので、

そういう作品をいつも選んでいますね。

ただお芝居を見て終わりっていうだけではなくて、

見終わった後に皆さんといろいろお話をしながら、

自分にとってその物語が

何かプラスになったり元気をくれたりする

きっかけになったらいいなと思っています。」

     
   
 
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