佐久地域で活動する建築士たちで作る

「長野県建築士会佐久支部」では、

現在、まちづくり活動の一環として、

氷区にある天然の冷蔵庫「風穴」を活用する事業に

取り組んでいます。

今週8日(金)には、

関東甲信越地域の建築士会の代表として、

京都で開かれる全国大会で、

小諸の氷風穴での取り組みを発表します。

 

天然の冷蔵庫と言われている「風穴」は、

地中の温度が一年を通して低い、

氷地区の自然環境を活かし、

5.6メートルほどの深さの縦穴を掘削して造られたものです。

始まりは江戸時代中期頃と言われています。

真夏でも0度から3度位までしか上がらないことから、

蚕の卵や食品の貯蔵などに使われてきました。

 

長野県建築士会佐久支部の青年・女性委員会では、

2年前から、氷区の区民と共に、

風穴の保存と活用に取り組んできました。

氷区内には区民でつくる保存会も発足。

建築士会と保存会が協力して

風穴を案内するための石標や、看板を作るなど、

活動は広がりを見せています。

 

そんな中、ことし9月には

全国風穴サミットが小諸市で開かれ、

1000人を超える人がシンポジウム会場に集まった他、

風穴ツアーもにぎわいを見せました。

 

 

先月25日(土)には、

風穴周辺に、建築士会のメンバー4人と

氷風穴の里保存会のメンバーおよそ20人が集まり、

落ち葉などをかき集める作業や、

古くなった木の伐採などを行いました。

去年はまだ建築士会のメンバーに、

数人の区民が加わる形だったこの作業も、

多くの区民が参加しての作業となりました。

地元の財産「風穴」を守っていこう。

そんな機運が高まっているようです。

 

氷区土屋区長

「サミットは一つのイベントなので

あのまま終わらせるわけにはいかないので、

保存という本来の姿に戻って長く保存していかなきゃ意味がないので

これからそういう地道な活動に移っていくと思いますかね。

建築士会のみなさんにお世話になって、

指導的な役割を果たしていただいたようなね、ありがたく思っています。」

 

荒木さん

「最初は僕らしかいなくて

今の保存会長前田さんしか来られないのが最初だったんですけど、

区民の人たちが、みんなこれだけ来てくれて

綺麗にしようと思ってくれただけでもね、

1番良かったなとは思います。

地元の人たちが自分たちの財産を守ろうと思い

始めてくれた結果が今日の参加者になっているような気がします。」

観光地にすぐするというよりも

本来あるべき姿の風穴群にまず戻して、

もっと言えば地元の人たちのために何か利活用できれば、

それを地域の宝物として本来の意味を持ったところに

見に来てくれる人がいれば、

それが本当の観光地じゃないかと思います。」

 

 

そう話す荒木貴志さんは、

6月に行われた関東甲信越の建築士が集う大会で

県建築士会佐久支部の代表として、

氷風穴をテーマに発表し、

最優秀賞を受賞。

今週8日(金)に、京都で開かれる全国大会で

同様の発表に立つ予定です。

 

荒木さん

「今まちづくり、まちづくりと各地で騒がれていますけれども、

やっぱりコーディネーターが外部からコーディネートするんじゃなくて、

やっぱり地元の人たちが奮起してきた。

自分たちの住む場所の宝物を守ろうというのを

僕のプレゼンの中でも伝えてありますし、

これを全国に発信できるうれしさが一番強いので

それをちゃんと言って来たいと思います。」

 

全国大会を目前に控えたきのう4日(月)には、

荒木さんら建築士会のメンバーが

小泉市長を表敬訪問し、

全国大会出場について報告しました。

 

 

市長の激励を受け、荒木さんは、

「区民の方のバックアップがあったからこそ期待に応えられた。

3年間の活動を知ってもらうように発表してきたい。」と

抱負を述べました。

今週8日に開かれる全国大会には、

全国7つのブロックの代表が

まちづくりの実践活動を報告します。

荒木さんは、長野県、そして関東ブロックの代表として、

氷風穴の活用とまちづくりについて

全国の大舞台で発表します。